植物の生活史と繁殖生態学

2010年 10月 16日

大原雅(北海道大学教授)
A5判・上製本・208頁
定価(本体2800円+税)
ISBN978-4-905930-42-6
2010年3月25日

[まえがき]より
著者がこれまで担当してきた一般教養の生物学や学部の生態学の講義ノートの一部をまとめたものである。ありがたいことに,著者が現在北海道大学の高等教育課程(教養課程)で担当している「基礎生物学II」は,学生の講義評価(基礎科目)でナンバー・ワンに選ばれた。……学生たちから毎年高い評価を受けていることは大変嬉しく思っている。

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学生の講義評価ナンバー・ワン!
 植物の種を「生きた実態」として認識する生活史研究は1960年代に芽吹き,多様な環境に生育するさまざまな種を対象に,個体群生態学,繁殖生態学,数理生態学などの側面から数多くの研究が展開されてきた。そして,近年の分子生物学の進展は,繁殖生態学の分野において,画期的な遺伝解析を可能にしてくれた。しかし,「解析技術の進歩が,それすなわち学問の進歩ではない」。分子マーカーを用いた高度な遺伝解析から得られた繁殖にかかわる情報は,複雑な生育環境のもとで世代を重ねて維持される個体群に関する多面的情報と統合されることで,初めて生活史の核心に迫る知見として生きてくる。
 本書には,繁殖生態学を核として,植物の生活史を理解するための個体群生態学の必要性と生態遺伝学の応用性が具体的に解説されている。また,環境保全や自然保護における生活史研究の果たす役割の大きさ,そして生活史研究から芽吹いた環境教育の試みも紹介されている。

目 次
1章 生命の連続性と生物の多様性
1-1 地球の誕生
1-2 生命の誕生
1-3 最初の生物
1-4 真核生物の登場
1-5 多細胞生物の登場
1-6 動物のカンブリア紀爆発(多様化)  
  Box 1-1 細胞内共生  
1-7 生物の陸上への進出と植物の多様な進化
     Box 1-2 細胞間のコミュニケーションの進化
1-8 植物における生命の連続性
  Coffee Break 河野昭一先生との出会い

2章 群集レベルの変化と多様性
2-1 群集の概念
2-2 群集の境界
2-3 群集内の種間関係
  Box 2-1 類似度の評価の難しさ
  Box 2-2 Gauseの競争排除則(competitive exclusion)
2-4 指標種とキーストーン種
2-5 群集の変化をもたらす要因
2-6 極相と撹乱

3章 植物の生活史の基礎知識
3-1 一生の長さ
3-2 繁殖回数
3-3 花の構造
  Box 3-1 花の器官形成の分子メカニズム
3-4 性表現
3-5 植物における個体性
  Coffee Break フレッド・ユーテックさんとの出会い

4章 植物の個体群構造
4-1 生命表と生存曲線
4-2 個体群の成長
4-3 個体群を調節する要因
4-4 個体群の成長と生活史戦略
4-5 ステージ(サイズ)・クラス構造
4-6 個体群動態と行列モデル
  Box 4-1 種子休眠と埋土種子
4-7 空間構造

5章 有性生殖と無性生殖
5-1 植物に見られる無性生殖
  Box 5-1 セイヨウタンポポと在来タンポポ
5-2 無性生殖の利点
5-3 有性生殖の利点
  Box 5-2 繁殖競争と性選択
  Coffee Break 島本義也先生との出会い

6章 植物の繁殖様式
6-1 自殖の有利性
6-2 自殖を避けるためのメカニズム
6-3 閉鎖花と開放花
  Box 6-1 重複受精
6-4 ポリネーション・シンドローム
6-5 結実のメカニズム

7章 繁殖様式と個体群の遺伝構造(基礎知識編)
7-1 ハーディー・ワインバーグ平衡
7-2 遺伝的多様性 
7-3 ハーディー・ワインバーグ平衡を乱す要因
  Box 7-1 ハーディー・ワインバーグの法則を適用してみる
  Coffee Break 高校時代の仲間との出会い

8章 繁殖様式と個体群の遺伝構造(解析方法編)
8-1 アイソザイム分析
8-2 父系解析(マイクロサテライトマーカー)
8-3 クローンの識別(AFLP分析)
  Box 8-1 知っておきたい基礎遺伝学用語(その1)

9章 繁殖様式と個体群の遺伝構造の解析(実践編)
9-1 多回繁殖型多年生植物:オオバナノエンレイソウを例に 
9-2 一回繁殖型多年生植物:オオウバユリを例に 
9-3 クローナル植物:スズランを例に 
  Box 9-1 知っておきたい基礎遺伝学用語(その2)
  Coffee Break 広尾町との出会い 

10章 保全生態学における生活史研究の重要性
10-1 個体群の衰退と絶滅の要因 
  Box 10-1 大規模絶滅の歴史と要因 
10-2 生育地の分断・孤立化 
10-3 種子生産数の減少
  Box 10-2 メタ個体群 
10-4 個体群構造の変化 
10-5 遺伝的劣化 
10-6 個体群の存続可能性 
  Box 10-3 分断化された個体群の保全・管理計画 

11章 生活史研究を基礎とした環境教育への取り組み
11-1 日本における環境教育の流れ 
11-2 小学校における環境教育 
11-3 教材パンフレットの作成 
11-4 野外観察会の実施 
11-5 指導書の作成 
11-6 今後の展望 
  Dessert Time 学生たちとの出会い 

引用文献 
索 引


動物園と私

2008年 12月 20日

07-e58b95e789a9浅倉繁春 著
B6判・上製・204頁
定価(本体1,500円+税)
1994年2月20日
ISBN978-4-905930-01-3 C0045

 

 
動物園の役割は,単に動物を見せる場という考え方から,種の保存・教育・研究の場へと大きく変わってきた。東京都多摩動物公園,上野動物園の園長を勤め,35年間も動物とかかわってきた著者が,パンダの人工授精,海外の動物園の視察など多くのエピソードをまじえながら,動物園の現状,問題点などを端的に述べている。 

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アシカ語を話せる素質

2008年 12月 20日

16-efbdb1efbdbce382ab中村元 著
B6判・並製・152頁
定価(本体1,214円+税)
1995年12月12日
ISBN978-4-905930-02-0 C0045

 
 

著者の中村元は新鳥羽水族館のプロジェクトディレクターとして,動物のドラマと感動をテーマに新世代の水族館の展示コンセプトを確立した。アシカのショートレーナーから始まり,水族館での飼育経験,海外取材調査中に体験した野生動物との出会いから得たエピソードなどを写真とともに紹介し,動物たちとの接し方を綴った。

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ちょっとアカデミックな お産の話

2008年 12月 20日

25-e3818ae794a3村上枝彦 著
A5判・並製・152頁
定価(本体1,500円+税)
1997年11月3日
ISBN978-4-905930-62-4 C3040
 
 

哺乳動物はどんなふうにして胎盤をつくりだしたのか,それは生命発生以来5億年といわれる長い歴史のなかで,いつ頃だったのか。また,母親と胎児の血管はつながっているわけではないのに,どうやって母親の血液で運ばれた酸素が胎児に伝わるのだろうか? 胎盤が秘めている歴史について考察し,簡略に解説している。

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万里を風と共に

2008年 12月 20日

32-e4b887e9878c北村幸房 著
B6判・上製・240頁
定価(本体1,800円+税)
1999年8月15日
ISBN978-4-905930-91-4 C0095
 
 

昭和20年8月,わずか7日間で日ソ戦争は終結した。満州にいた21歳の初年兵は,ソ連に強制連行されたが,病弱ゆえに満州に送り返された。日本に引き揚げるまでに次から次へと体験した悲惨な出来事を切々と綴った。

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学力を高める 総合学習の手引き

2008年 12月 20日

47-e7b78fe5ada6品田穰・海野和男 共著
A5判・並製・136頁
定価(本体2,400円+税)
2002年7月25日
ISBN978-4-905930-07-5 C3045
 
 

学校教育の改革の一つとして「総合的な学習の時間」が設定された。その意義・目的・方法を述べ,考える力をつける必要性を述べている。生きものとしてのヒトに戻り,原体験を獲得して,課題を発見し解決し,行動する。そんな力はどうしたら身につくのか。動植物の生態写真を多く使用し,どのように指導したらよいかの課題発見の手引きとして具体例を示している。 

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性と病気の 遺伝学

2008年 12月 20日

49-e981bae4bc9d 堀 浩 著
A5判・並製・200頁
定価(本体2,200円+税)
2003年3月20日
ISBN978-4-905930-89-1 C3045
 
 

「性はなぜあるのか」,「性はなぜ二つしかないのか」,「性染色体の進化」,「遺伝病の早期発見」など,具体的なテーマを示して,遺伝学の面白さ・奥深さへと著者は導く。ヒトの遺伝的性異常・同性愛・遺伝と性・遺伝と病気など,誰もが関心のある話題が取り上げられており,生命倫理について考えさせられる内容に満ちている。

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