社会性昆虫の進化生物学

2011年 9月 4日

東 正剛(北海道大学教授)・辻 和希(琉球大学教授)共編
A5判・上製本・496頁
定価(本体6,000円+税)
ISBN 978−4−905930−29−7
2011年9月15日

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味わったら抜けられない知的挑戦
 本書は,1993年に出版された『社会性昆虫の進化生態学』(松本忠夫・東正剛共編,海游舎)の姉妹書である。この約20年の間に生物学は目覚ましい発展を遂げ,「21世紀は生物学の世紀になる」という大方の予想どおり,我々はまさに生物学の革命期を生きていると言えるだろう。これには遺伝子工学を含む分子生物学の発展とIT革命を中心とする技術革新,その相乗効果によって予想以上の速さで進展した各種生物の全ゲノム塩基配列判読が引き金となったことは間違いない。
 本書は,日本語で読めるものとしては現在唯一の社会性昆虫研究の「今」と「全体」を展望できる教科書である。当代最先端研究者による各章から,めくるめく変化し続ける研究動向が見て取れる。
 
 同種でありながら女王とワーカーはなぜこれほど形態が異なるのかは,発生生物学者でなくても興味がわく問題だろう。1章は,この「カースト分化機構」という社会性昆虫研究の古くて新しい中心的命題に対し,今急発展している進化発生学(Evo-Devo)というツールで迫った内容。本章では社会性昆虫をEvo-Devoの新たなモデル生物として位置付け,表現型可塑性,ヘテロクロニー,モジュール性,アポトーシスなどの既知の仕組みでどこまでカースト分化が理解可能なのか現状を解説している。同時に本章は進化発生学の概要が理解できる内容になっており,分子生物学者だけでなく社会生物学者も必読。

 性がどんな仕組みで決定されるのかは,社会性昆虫を超え生物学の基本問題である。2章は,血縁選択説の中枢的役割を果たしたと議論されている単数倍数性(haplodiploidy)の分子生物学的仕組みの理解を議論の入り口に,昆虫の性決定機構全般に関する最新知見を網羅した力作に仕上がっている。相補的性決定,ゲノム刷り込み,遺伝因子バランス,性決定の遺伝子カスケードなど,理論モデルと実証研究例を丁寧に解説した本章は,この分野の関連研究者に今すぐ役立つ総説である。血縁度,単数倍数性やそれによる血縁度非対称性など社会生物学の基本タームも適宜ボックスを使い解説されている。

 3章は,アリの社会を支える化学コミュニケ—ション,たとえば巣仲間認識,種認識,寄生と共生,シグナルとセンサーなど,受容から意思決定に至る神経行動学的プロセスを多数の例をあげ体系的に解説している。さらに,既知のアリのフェロモンの構造の全リストという有り難い「特典」付きである。化学コミュニケーションは社会性昆虫学における主要テーマの一つであり続けてきたが,日本語の本格的な解説は近年ほとんどなく,本章の学術・啓蒙的価値は高い。本章の後半部分では好蟻性昆虫とアリとの共生における種間コミュニケーションの仕組みが解説されている点にも特色がある。

 4−7章は材料別の構成をとり,個々の分類群の社会性の特徴を網羅的に概観した内容となっている。4章は,前著『社会性昆虫の進化生態学』にある同著者による総説の続編で,脳内アミンなどの至近要因研究を中心にミツバチのシステム生物学の最新知見を,たった1章の中に濃縮している。5章は,社会性アブラムシを系統・適応・生理・行動・分子発生に至る最新知見をバランスよく解説し,この1章で兵隊アブラムシ研究の現在的パースペクティブが理解可能な内容。6章は,シロアリ研究で近年数々の大発見に成功している著者が,シロアリの社会進化における性の役割を,遺伝的多様性と血縁度のトレードオフという概念を軸に縦横に展開している快作である。本書の他章がアリ,シロアリやミツバチなど主として多年性の社会性昆虫に焦点を当てているのに対し,7章では単年性の種に焦点を当てている。すなわち,アシナガバチ,スズメバチ,マルハナバチというこれまで別々に論じられた分類群をやはり最新知見にもとづき進化生態学的観点から比較したユニークなものである。

 Evo-Devo(1−2章) が本書の表の顔だとすると,8−9章はまさに裏の顔である。日本ではほとんど知られていないが,社会性昆虫は自己組織化,複雑系,自律分散制御の研究材料として,ここ20年の間に特に国外では注目を集めてきた。8章は「システム生物学」としての社会性昆虫研究における日本人研究者自身の言葉で書かれ,日本語で読める初の,そしてよくまとまった解説である。いかに社会性昆虫が自己組織化研究にうってつけか,集団採餌,渋滞,カースト比調節,そして自律分散ロボットなどを例に分かりやすく解説されている。アリやミツバチの行動に集団で働くロボット(群ロボット)設計原理のヒントが隠されているのではと考えるのは自然だろう。9章では,自己組織化研究と常に連携して発展してきた,群ロボットの研究史がロボット工学の専門家により生き生きと描かれている。この章は生物学の教科書としては異例に思えるかもしれないが,生物学者にとっても有益な示唆に満ちている。実際,ロボットを作るため構成論的方法でアリを分解再構築してみると,これまでの生物学では見落とされがちだったアリそのものに関する生物学的発見にもつながることもあるからだ。21世紀の生物学と工学にはこのような創造的連携が益々重要になるだろう。

目 次
1章 社会性昆虫における進化発生学(Evo-Devo)  (三浦 徹)
はじめに
1-1 エボデボ研究
1-2 ソシオゲノミクス
1-3 発生の可塑性を司る生理・発生機構
1-4 社会性ハチ目におけるEvo-Devo研究とソシオゲノミクス
1-5 カースト分化を決定する要因
おわりに

2章 ハチ目昆虫の性決定機構と非対称的遺伝様式の進化  (宮崎智史・東 正剛)
はじめに
2-1 単数倍数性と二倍体雄の発見
2-2 ハチ目昆虫における性決定機構のモデル
2-3 性決定の遺伝子カスケード
2-4 動物界における非対称的遺伝様式の進化要因
おわりに

3章 アリと化学生態学  (北條 賢・尾崎まみこ)
はじめに
3-1 アリのセミオケミカルとコミュニケーション
3-2 仲間識別と営巣形態の変遷
3-3 好蟻性昆虫の化学生態学
3-4 ニューロエコロジー(神経生態学)の新しい試み
おわりに

4章 ミツバチの社会性とその基盤となる機構  (佐々木正己・中村 純)
はじめに
4-1 カースト・システムとその制御要因
4-2 分業システムとその制御
4-3 翅と飛翔筋の多機能化
4-4 交尾飛行の生態
4-5 概日リズムに見る機能拡大
4-6 脳機能の発達とそのタイミング
4-7 ダンスによる資源情報伝達システムの評価の見直し
おわりに

5章 アブラムシの社会進化  (柴尾晴信)
はじめに
5-1 クローン生物における血縁選択と利他行動
5-2 社会性進化における遺伝的要因
5-3 社会性進化における生態的要因
5-4 カースト分化とその制御要因
5-5 分業とその制御要因
5-6 ケミカルコミュニケーション
おわりに

6章 シロアリの社会進化と性  (松浦健二)
はじめに
6-1 血縁度と遺伝的多様性のトレードオフ
6-2 シロアリの進化と血縁選択
6-3 真社会性昆虫の単為生殖
6-4 シロアリの単為生殖
6-5 シロアリの王と女王の利害対立
6-6 シロアリの単為生殖による女王位継承システム(AQS)
6-7 生活様式と女王の産卵能力
6-8 真社会性昆虫の王と女王の寿命にかかる選択
6-9 劣性有害遺伝子の排除メカニズム
6-10 アリとシロアリの使い分け単為生殖の比較
6-11 AQSの見つけ方
おわりに

7章 単年生社会性昆虫の世界 :  アシナガバチ・クロスズメバチ・マルハナバチを中心として  (土田浩治)
はじめに
7-1 血縁選択説と「対立」
7-2 性比をめぐる対立
7-3 雄生産をめぐる対立
7-4 女王とワーカーの分化
おわりに

8章 アリコロニーのシステム生物学 :  社会生理学・自己組織化研究の最近の動向  (土畑重人)
はじめに
8-1 社会生理学と自己組織化研究
8-2 コロニーシステムの特徴
8-3 採餌における動員システム
8-4 分業システム
おわりに

9章 社会性昆虫に学ぶ群ロボットシステム  (菅原 研)
はじめに
9-1 群ロボットシステム小史
9-2 群ロボットシステム:事例紹介
9-3 群ロボットシステムに必要な要素
9-4 群ロボットシステムの数理
9-5 生物の群れにならう最適化アルゴリズム
おわりに

引用文献
事項索引
生物名索引
学名索引


社会性昆虫の進化生態学

2011年 9月 4日

松本忠夫(東京大学教授)・東 正剛(北海道大学教授)共編
A5判・上製本・400頁
定価(本体5,000円+税)
ISBN 978−4−905930−30−3
1993年3月20日
重版出来

アシナガバチ,ミツバチ,アリ,シロアリ,ハダニ類などの研究で活躍している著者らが,これら社会性昆虫の学問成果をまとめ,進化生態学の全貌とその基礎的研究法を詳しく紹介した,わが国初の総説集です。各章末の引用文献は充実しています。昆虫学・行動生態学・社会生物学などに関係する研究者・学生の必備書です。

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目次
1 日本における社会性昆虫の進化生態学 (松本忠夫)
2 アシナガバチ類における多女王制の起源 (伊藤嘉昭)
3 アリの生活史戦略と社会進化 (東 正剛)
4 アリ類における雄の繁殖戦略 (山内克典)
5 社会性膜翅目の性比の理論 (辻 和希)
6 ミツバチの社会システムとその制御機構 (佐々木正己)
7 シロアリの真社会性の起源とその維持機構 (松本忠夫)
8 ハダニ類から見た動物社会の進化 (斎藤 裕)
9 生物集団の個体間血縁度の推定法 (土田浩治)
10 順位行動の分析法 (粕谷英一)
事項索引
昆虫名索引
学名索引


シオマネキ

2011年 9月 2日

シオマネキ
−求愛とファイティング−

村井 実(琉球大学名誉教授)著
A5判・並製・96頁
定価(本体1,200円+税)
ISBN978-4-905930-15-0
2011年7月20日

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 シオマネキは,甲幅7.6 mmから4.7 cmの小型のカニです。雄の大きいはさみの長さは11.8 mmから10.9 cmもあり,このハサミを使って互いにコミュニケーションをしています。雌を招くウエービング,求愛のウエービング,つがい形成などについて,ビデオカメラを用いての観察や実験結果をまとめて紹介しました。発信しているシグナルはどんな意味をもっているのか,だましの行動なのか? など,小さなカニの興味深い行動を明らかにしています。

目 次
はじめに
1章 シオマネキ類の生態と行動
2 章 オキナワハクセンシオマネキの繁殖行動の概要
3章 オキナワハクセンシオマネキの繁殖行動の研究
4章 ウエービングによる別の雌選択とペア形成のできる雄
5章 敵対行動
6章 大きいはさみを動かす行動と保持しているだけの行動
7章 トリによる捕食,捕食回避と捕食リスクについての情報の収集
8章 John Christyの感覚トラップ説
9章 シオマネキの発音と再生はさみ
10章 おわりに
引用文献
索 引


天敵と農薬

2010年 10月 16日

天敵と農薬
−ミカン地帯の11年[第二版]−
大串龍一(金沢大学名誉教授)
A5判・上製本・256頁
定価(本体2,800円+税)
ISBN978−4−905930−28−0
2010年9月25日

農薬使用を止めることが出来るか
 1960年代,日本の農業は大きく変わろうとしていた。土地を耕すのは人間や牛馬の力から機械の力に,病害虫の防除は伝統的な人手による駆除作業から工業製品の有機合成農薬の大量散布になっていく時期だった。
 この時期に,農業のイロハも知らないひとりの素人技術者として,著者は長崎のミカン産地に赴任した。着任した次の週から病害虫防除指導の現場に立たされて,農家や農業改良普及員,栽培技術指導員の人たちに学びながら,ミカンとビワの病気や害虫と闘った。そのなかで農薬の問題に直面しなくてはならなかった。
 農薬散布は,今でも農作物の病害虫を防ぐ主要な手段である。農薬が人の健康や自然環境に及ぼす害が知られてから久しいが,現在でも農薬の使用はあまり減っていない。どうして農薬使用を止めることができないのか。天敵の研究者として出発した著者が,農薬を主とした病害虫防除に携わりながら,農作物の病虫害とどう向き合うべきか,11年間のさまざまな実体験を通じて考え,実行してきたことが,ここに19の物語としてまとめられている。
 第二版は1990年に出版された第一版を,現在の農業・環境問題を考えながら改訂した。近代農業史の一面を述べた本文を生かしながら,その後の変化は37の注で補った。さらに農薬解説の序章を追加し,多数の写真を入れ替え,農業の社会問題・環境問題の原点・農薬問題・病害虫防除などが詳しく述べられている。農業に直接かかわってはいないが,生活環境・食品安全に関心をもつ人たちにも勧めたい。

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蜂からみた花の世界

2010年 10月 16日

蜂からみた花の世界
−四季の蜜源植物とミツバチからの贈り物−
佐々木正己(玉川大学教授)
B5判・上製本・416頁
定価(本体13,000円+税)
ISBN978-4-905930-27-3
2010年7月20日

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 脳細胞100万,体重わずか0.1gのミツバチが,花を求め半径5 kmを飛び回る。仲間を動員する8の字ダンスは有名だが,リクルートすべきか否かは,蜜の「質・量・花までの距離」を総合判断して決めている。茶さじ1杯のレンゲのハチ蜜を貯めるのに,ミツバチは1gの燃料蜜を使って延べ1,000 kmを飛び,訪れる花数は14,000にのぼる。
 こんなミツバチ達の眼に,日本の野や森,花壇や街路樹の花はどう見え,どう評価されているのか? これを680種,1,600枚に及ぶ写真画像とユニークな解説で紹介したのが本書であり,世界でも類例がない。蜜源植物への誘い,ガイドとして役立つよう,「開花カレンダー」,「花粉ダンゴの色データベース」が収録されているのも大きな特徴となっている。
 巻末の解説で著者が提案する「季節や自然を身近に感じられる多様なハチ蜜の楽しみ方」は示唆に富み,世界同時発生しているCCD(蜂群崩壊症候群)問題に照らして読み進むと,ヒトの自然への向き合い方に,ミツバチが警鐘を鳴らしているかのように思えてくる。

撮影裏話(本書のp.385より)
■ お腹の膨らみ具合や花粉ダンゴの大きさを見逃さない
 撮影行のときは,花を見つけると「ハチは来ているかな?」のチェックが癖になっている。とくに撮影チャンスがめったにないような花の場合は,来ているハチは貴重品。そんなときは,お腹の膨らみ具合か,肢の花粉ダンゴの大きさを素早くチェックする。お腹が膨らんでいれば,すでに蜜をいっぱい吸っている証拠で,すぐにも巣に帰ってしまう可能性がある。両肢の花粉ダンゴが大きくなっている場合も同様だ。そうでない場合は,花のほうの状態をチェックする。咲いている花数が少なければ,やはり他の場所に行ってしまいがちだから,チャンスは少ないと心得なければならない。多くても花当たりの訪花滞在時間が1秒以下と短い場合は,今しがた「訪花済み」であることを示す「匂いのマーク」が付けてあるか,もう他のハチたちが蜜を吸い尽くしてしまって蜜がほとんどないことを意味している。そんな場合もじきにハチはいなくなることが予想されるので,チャンスは少ないことになる。猶予はないと心得え,一発勝負の撮影に賭ける。
 一方,ハチの行動を見ていれば,その花への執着度は見てとれるので,それが大きいようであれば,たとえ逃してしまってもまだ希望は残る。一度巣に戻って蜜や花粉を置き,再び同じ所に戻ってくる可能性が高いからだ。巣までの距離は遠くても2〜3km程度なので,秒速7m (時速にして約25km) で飛べば,往復分の時間は長くても10分前後。巣での荷下ろしにかかる時間を入れても,15分以内にまた現れる可能性は十分ある。実際待った甲斐あって,見覚えのあるハチが戻ってきてくれたときは嬉しい。また,帰って行ったハチとは見るからに違うハチが現れたときも,あの戻りバチからダンスで教えてもらった新参者がきたのかと思うと (確かめる術はないのだが),これも嬉しくなってしまう一瞬だ。

目 次
【第1部】 蜜・花粉源植物(写真編)
  680種の蜜・花粉源植物を1,600枚の写真で紹介
  花粉ダンゴの色

【第2部】 解説編
1 日本の蜜源植物の起源と全体像
  (1)外来種への依存度の現状
  (2)どれくらいの種類が蜜・花粉源となっているのか
  (3)蜜・花粉源植物の構成
             
2 蜜源植物の四季
              
3 花側からの受粉作戦とハチ側からの利用戦略
  (1)ポリネーションの基本事項
  (2)双利共生的関係
  (3)ミツバチが片利的に利を得ている場合
  (4)花側が片利的に利を得ている場合
  (5)盗蜜の実態
  (6)風媒花も大いに利用
  (7)農業・食糧生産上のポリネーションの貢献
  (8)生態系維持への貢献
  (9)ミツバチの訪花スペクトルが広い理由
              
4 なぜ行かない花,行かない時があるのか
  (1)周りの花事情により決まる訪花植物
  (2)ミツバチに花蜜の好き嫌いはあるのか
              
5 蜜腺と花蜜
  (1)花蜜はどこから来るのか
  (2)花蜜からハチ蜜ができるまで
  (3)採蜜作業の実際
  (4)移動養蜂
  (5)ハチ蜜はどれくらい採れるものなのか
              
6 ハチ蜜の色と香り
  (1)花の匂いとハチ蜜の香りを比較してみる
  (2)ハチ蜜の色
  (3)ハチ蜜の結晶化
              
7 ミツバチと花粉
  (1)花粉ダンゴの色 — データベース作り
  (2)花粉ダンゴの色の意味
  (3)花粉ダンゴは飛びながら作る
  (4)花粉写真の撮り方
  (5)ハチ蜜中の花粉分析
              
8 ミツバチが訪れる花はどうやって決まるのか
  (1)何処まで飛ぶのか — ミツバチの行動半径は
  (2)どのくらいの数の花を訪れるのか
  (3)何度も同じ花に通える優れた記憶能力
  (4)花の何を覚えるのか
  (5)ランドマークや距離・方角も記憶する
  (6)ダンス言語 — 良いと評価した花へ仲間を誘導するシステム
  (7)評価の三要素は「質・量・距離」
  (8)どうすれば純度の高い「単花ハチ蜜」が採れるのか
              
9 純粋,自然のハチ蜜とは何なのか
              
10 日本在来種とセイヨウミツバチの生活,訪花嗜好性の相違点
  (1)ミツバチの種数が少ない理由
  (2)サバンナのミツバチmelliferaと森のミツバチcerana
  (3)日本に棲息する2種ミツバチの相違点
  (4)ニホンミツバチの訪花嗜好性と日本種ハチ蜜の特徴
              
11 ローヤルゼリーとプロポリスとは
  (1)ローヤルゼリーの実体
  (2)ローヤルゼリー(王乳)ができるまで
  (3)ローヤルゼリー中の「R物質」
  (4)プロポリスとは
  (5)プロポリス源植物と樹脂の採集行動
              
12 English Summary 
  Bee’s Eye View of Flowering Plants: 
   Nectar- and Pollen-source Plants and Related
   Honeybee Products
              
付録1 ミツバチの体のつくりの概説
付録2 ハチ蜜の品質規格 — 国際規格と日本規格
付録3 増殖を推奨したい蜜・花粉源植物リスト
撮影裏話
テクニカルノート
あとがき—ハチ蜜に思うこと
謝 辞
主な参考書
用語索引
和名索引
学名索引
英名索引


植物の生活史と繁殖生態学

2010年 10月 16日

大原雅(北海道大学教授)
A5判・上製本・208頁
定価(本体2800円+税)
ISBN978-4-905930-42-6
2010年3月25日

[まえがき]より
著者がこれまで担当してきた一般教養の生物学や学部の生態学の講義ノートの一部をまとめたものである。ありがたいことに,著者が現在北海道大学の高等教育課程(教養課程)で担当している「基礎生物学II」は,学生の講義評価(基礎科目)でナンバー・ワンに選ばれた。……学生たちから毎年高い評価を受けていることは大変嬉しく思っている。

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学生の講義評価ナンバー・ワン!
 植物の種を「生きた実態」として認識する生活史研究は1960年代に芽吹き,多様な環境に生育するさまざまな種を対象に,個体群生態学,繁殖生態学,数理生態学などの側面から数多くの研究が展開されてきた。そして,近年の分子生物学の進展は,繁殖生態学の分野において,画期的な遺伝解析を可能にしてくれた。しかし,「解析技術の進歩が,それすなわち学問の進歩ではない」。分子マーカーを用いた高度な遺伝解析から得られた繁殖にかかわる情報は,複雑な生育環境のもとで世代を重ねて維持される個体群に関する多面的情報と統合されることで,初めて生活史の核心に迫る知見として生きてくる。
 本書には,繁殖生態学を核として,植物の生活史を理解するための個体群生態学の必要性と生態遺伝学の応用性が具体的に解説されている。また,環境保全や自然保護における生活史研究の果たす役割の大きさ,そして生活史研究から芽吹いた環境教育の試みも紹介されている。

目 次
1章 生命の連続性と生物の多様性
1-1 地球の誕生
1-2 生命の誕生
1-3 最初の生物
1-4 真核生物の登場
1-5 多細胞生物の登場
1-6 動物のカンブリア紀爆発(多様化)  
  Box 1-1 細胞内共生  
1-7 生物の陸上への進出と植物の多様な進化
     Box 1-2 細胞間のコミュニケーションの進化
1-8 植物における生命の連続性
  Coffee Break 河野昭一先生との出会い

2章 群集レベルの変化と多様性
2-1 群集の概念
2-2 群集の境界
2-3 群集内の種間関係
  Box 2-1 類似度の評価の難しさ
  Box 2-2 Gauseの競争排除則(competitive exclusion)
2-4 指標種とキーストーン種
2-5 群集の変化をもたらす要因
2-6 極相と撹乱

3章 植物の生活史の基礎知識
3-1 一生の長さ
3-2 繁殖回数
3-3 花の構造
  Box 3-1 花の器官形成の分子メカニズム
3-4 性表現
3-5 植物における個体性
  Coffee Break フレッド・ユーテックさんとの出会い

4章 植物の個体群構造
4-1 生命表と生存曲線
4-2 個体群の成長
4-3 個体群を調節する要因
4-4 個体群の成長と生活史戦略
4-5 ステージ(サイズ)・クラス構造
4-6 個体群動態と行列モデル
  Box 4-1 種子休眠と埋土種子
4-7 空間構造

5章 有性生殖と無性生殖
5-1 植物に見られる無性生殖
  Box 5-1 セイヨウタンポポと在来タンポポ
5-2 無性生殖の利点
5-3 有性生殖の利点
  Box 5-2 繁殖競争と性選択
  Coffee Break 島本義也先生との出会い

6章 植物の繁殖様式
6-1 自殖の有利性
6-2 自殖を避けるためのメカニズム
6-3 閉鎖花と開放花
  Box 6-1 重複受精
6-4 ポリネーション・シンドローム
6-5 結実のメカニズム

7章 繁殖様式と個体群の遺伝構造(基礎知識編)
7-1 ハーディー・ワインバーグ平衡
7-2 遺伝的多様性 
7-3 ハーディー・ワインバーグ平衡を乱す要因
  Box 7-1 ハーディー・ワインバーグの法則を適用してみる
  Coffee Break 高校時代の仲間との出会い

8章 繁殖様式と個体群の遺伝構造(解析方法編)
8-1 アイソザイム分析
8-2 父系解析(マイクロサテライトマーカー)
8-3 クローンの識別(AFLP分析)
  Box 8-1 知っておきたい基礎遺伝学用語(その1)

9章 繁殖様式と個体群の遺伝構造の解析(実践編)
9-1 多回繁殖型多年生植物:オオバナノエンレイソウを例に 
9-2 一回繁殖型多年生植物:オオウバユリを例に 
9-3 クローナル植物:スズランを例に 
  Box 9-1 知っておきたい基礎遺伝学用語(その2)
  Coffee Break 広尾町との出会い 

10章 保全生態学における生活史研究の重要性
10-1 個体群の衰退と絶滅の要因 
  Box 10-1 大規模絶滅の歴史と要因 
10-2 生育地の分断・孤立化 
10-3 種子生産数の減少
  Box 10-2 メタ個体群 
10-4 個体群構造の変化 
10-5 遺伝的劣化 
10-6 個体群の存続可能性 
  Box 10-3 分断化された個体群の保全・管理計画 

11章 生活史研究を基礎とした環境教育への取り組み
11-1 日本における環境教育の流れ 
11-2 小学校における環境教育 
11-3 教材パンフレットの作成 
11-4 野外観察会の実施 
11-5 指導書の作成 
11-6 今後の展望 
  Dessert Time 学生たちとの出会い 

引用文献 
索 引


Fish Watching Guide 伊豆

2008年 12月 20日

04-e4bc8ae8b186益田一・瀬能宏 共編
A5変型判・耐水紙・40頁
定価(本体3,000円+税)
1993年7月10日
ISBN978-4-905930-50-1 C0645
 
 

海中でも使えるように「耐水紙」を使用したバインダー式の図鑑。温帯域でよく見られる海水魚174種・192枚を収録。解説文は「和名」,「全長」,「生息環境・生息状況」,「撮影者」,「見分けのワンポイント」の順。水中ノート,魚のシルエットメモが付いている。 

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