天敵と農薬

天敵と農薬
−ミカン地帯の11年[第二版]−
大串龍一(金沢大学名誉教授)
A5判・上製本・256頁
定価(本体2,800円+税)
ISBN978−4−905930−28−0
2010年9月25日

農薬使用を止めることが出来るか
 1960年代,日本の農業は大きく変わろうとしていた。土地を耕すのは人間や牛馬の力から機械の力に,病害虫の防除は伝統的な人手による駆除作業から工業製品の有機合成農薬の大量散布になっていく時期だった。
 この時期に,農業のイロハも知らないひとりの素人技術者として,著者は長崎のミカン産地に赴任した。着任した次の週から病害虫防除指導の現場に立たされて,農家や農業改良普及員,栽培技術指導員の人たちに学びながら,ミカンとビワの病気や害虫と闘った。そのなかで農薬の問題に直面しなくてはならなかった。
 農薬散布は,今でも農作物の病害虫を防ぐ主要な手段である。農薬が人の健康や自然環境に及ぼす害が知られてから久しいが,現在でも農薬の使用はあまり減っていない。どうして農薬使用を止めることができないのか。天敵の研究者として出発した著者が,農薬を主とした病害虫防除に携わりながら,農作物の病虫害とどう向き合うべきか,11年間のさまざまな実体験を通じて考え,実行してきたことが,ここに19の物語としてまとめられている。
 第二版は1990年に出版された第一版を,現在の農業・環境問題を考えながら改訂した。近代農業史の一面を述べた本文を生かしながら,その後の変化は37の注で補った。さらに農薬解説の序章を追加し,多数の写真を入れ替え,農業の社会問題・環境問題の原点・農薬問題・病害虫防除などが詳しく述べられている。農業に直接かかわってはいないが,生活環境・食品安全に関心をもつ人たちにも勧めたい。

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