擬態の進化

擬態の進化
−ダーウィンも誤解した150年の謎を解く−

大崎直太 著
A5判・上製・288頁
定価(本体3,000円+税)
ISBN978-4-905930-25-9 C3045
2009年4月22日

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擬態進化の解明は進化生態学発展の柱である。性淘汰は雌雄の形態が異なる性的二型を説明する進化理論として,ダーウィンによって提案された。本書は擬態進化の研究史を綴っている。その中で,筆者自身によるベイツ型擬態における性淘汰の否定と,鳥の最適採餌戦略やチョウの体温調節機構が擬態種の性的二型の要因とする最新の研究を,エピソードを織り交ぜながら紹介している。擬態研究の世界的な流れがよくわかる書である。

目 次

序章 ベイツ型擬態の波紋
ベイツ型擬態とアマゾン
ベイツ型擬態とは
ベイツ型擬態と『種の起源』
『種の起源』への反論
ベイツ型擬態が『種の起源』に与えたもの
ベイツ型擬態の2つの謎と性淘汰
ベイツ型擬態とミューラー型擬態:頻度依存淘汰
ベイツ型擬態のモデルの警告色と血縁淘汰
ベイツ型擬態における性淘汰仮説のその後
擬態研究の現在
 Box 0-1 ヘリコニウス科の分類学的位置

1章 ベイツの時代と進化論
ダーウィン以前の進化論
ダーウィンの出現
ベイツ南米に行く
ウォレスのサラワク論文
ウォレスのテルナテ論文
『種の起源』の出版
オックスフォード大学自然史博物館での大討論
ベイツ型擬態の発表
メスしか擬態しないベイツ型擬態種
Xクラブとネイチャー
進化と適者生存

2章  ベイツ南米の旅
ベイツとウォレスの出会い
職工学校
ベイツ・ウォレス記念碑
アマゾン学術探検の夢
アマゾンの旅とヘリコニウス科のチョウ
アマゾンでの暮らし
2人の帰国
帰国後の2人

3章 なぜメスだけが擬態するのか
メスだけが擬態するチョウと性淘汰
性淘汰とは
ベルトの主張
メスのチョウも複数回交尾する
性淘汰の仮説と検証
異性間性淘汰のメカニズム
ランナウェイ学説
ハンディキャップ学説
その他の性淘汰
オスによる同性内性淘汰仮説
擬態するのはメスだけではない

4章 なぜ一部のメスだけが擬態するのか
頻度依存淘汰
ミューラーのブラジル移住
ミューラー型擬態と正の頻度依存淘汰仮説
 Box 4-1 ミューラーの正の頻度依存淘汰モデル
ベイツ型擬態と負の頻度依存淘汰仮説
負の頻度依存淘汰仮説の野外検証
ベイツ型擬態種は寄生者か
 Box 4-2 擬態種がモデルに与える効果実験
負の頻度依存淘汰:タカとハト
 Box 4-3 タカ−ハトゲーム
タカとハトとブルジョア
 Box 4-4 タカ−ハト−ブルジョアゲーム

5章 警告色の進化
派手な目立つ色の意味
利己的と利他的
血縁度と適応度
血縁淘汰と包括適応度
緑ひげ効果
個体淘汰と群淘汰
隠蔽色と警告色の効果

6章 ベイツ型擬態の謎
ベイツ型擬態との出会い
オスはメスの犠牲者か  
ビーク・マーク
ビーク・マークの示すこと
なぜメスだけが擬態するのか:擬態のコストとベネフィット
なぜ一部のメスだけが擬態するのか:擬態のコストとベネフィット
論文投稿後にわかったこと
ビーク・マークの5つの疑問
擬態率の決定メカニズム
 Box 6-1 ビーク・マーク率比モデル

7章 性淘汰仮説に対する疑問
異性間性淘汰仮説の否定
シロオビアゲハの交尾実験
伊丹市昆虫館
オスがメスを選ぶ
同性内性淘汰仮説
レビューアー
それでも地球は回っている
擬態のコストは何か
翅の模様の意味
擬態型メスは交尾の際に不利を被ってはいない

8章 擬態のコスト
擬態型は生理的寿命が短い
赤い斑紋が多いメスはなぜ寿命が短いか
擬態のコストと擬態率
 Box 8-1 ハーディー−ワインベルグ法則
野外での寿命
シロオビアゲハの擬態型
性的二型再考
ベイツ型擬態は両性が擬態する

9章 メスだけが擬態する種と両性も擬態する種
カカメガの森
イシペ(国際昆虫生理生態学センター)
チョウの同定
森での生活
森での調査
大きな種ほど敏捷に高い空間を飛ぶ
大きな種のメスほど鳥に襲われる
オスに偏った捕獲性比を説明する3つの仮説
なぜある種はメスだけが擬態して,別の種は両性が擬態するのか
メスだけが擬態する種と両性が擬態する種の違い
生物の体の大きさ

10章 メスの捕食圧が高い理由
鳥にとっての餌の価値
餌選択モデルの検証
 Box 10-1 餌選択モデル
擬態と餌選択モデル
認知モデルの検証
 Box 10-2 認知モデル
探索像 
擬態と探索像

11章 チョウは寝込みを襲われる
チョウの体温調節機構
体温調節機構との出会い
野外調査の成果は調査地に依存する
ボルネオ,ビンコールの森
森の生活
熱環境の計測
論文の行方
白いチョウの体温は高く黒いチョウの体温は低い
チョウの体温調節機構と捕食圧
チャレンジャー教授の叫び

12章 ベイツ型擬態の謎の帰結
モデルなき擬態はありえない
擬態はどのようにして進化したか
擬態を見破る捕食者の進化はないのか
なぜ多くの種が擬態しないのか
ツマグロヒョウモンはベイツ型擬態種か
帰無仮説
代替仮説
擬似相関

13章 仮説の提言と検証
至近要因と究極要因
代替仮説再考
擬似相関再録
良い研究とは
仮説の提言と検証
発 想
序論の構造
そんなはずはない
ベイツ型擬態研究の帰結

あとがき
参考文献
索 引

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